Ghost lover
「あら、起きたのね。ほらまだ辛いでしょ? ベッドに戻りなさい。今、お粥とか持ってくるから」


母さんだった。有無を言わさずベッドに戻された僕は、

母さんが持ってきたお粥を食べて汗でぐっしょりと濡れてしまったパジャマを交換したりして。

また眠りが来るのを待った。だんだんと意識が遠のきそうになったその時、

器を下げに来た母さんが去り際に言った一言で眠気は少し遠ざかって行った。


「熱かったのは分かるけど、夕方過ぎても開けていたら、風邪が悪化するだけよ?」


あれは夢ではなかったと言うのか。でも由乃は……。


『夢じゃないよ。私は此処にいる』

「…………!?」

「幸? どうかしたの?」


その差は多分一センチもないだろう。僕の目の前にはドアップの由乃の姿があった。

母さんは確実に見えていない由乃。
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