Ghost lover
『大丈夫? 熱下がった? 今からお見舞いに行くよ。課題も渡さないといけないしね』


と。これが由乃から受け取る最後のメールになるなんて、思わなかった。

そして轢かれた場所は由乃の家の方向とは明らかに違う交差点。

それは僕が通学の時に通る場所。

そう、つまりは僕が体調を崩して学校を休んだりさえしなければ、由乃はこの道を通る事もなかったと言う事だ。

思えば救急車の音が何処からか聞こえた気がする。あれは由乃を運ぶ為に来たのだろう。

お通夜には体調が悪いまま参列をした。最後に由乃の顔をちゃんと見ておきたかったから。

でも彼女の安らかな顔を見ると、涙が溢れて視界がグチャグチャになってまともに見られなかった。
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