童話少年-NOT YET KNOWN-
領域と警告
翌日からの彼らの雉世に対する接し方は、あからさまや一目瞭然とまではいかないものの、今までの太い一線を引いた態度とは、やはり違っていた。
それまでは強固な3人の領域というものを確立していた気がするのに、その日を境にそこに雉世が頻繁に出入りするようになったのだ。
しかしそこはさすがに学校一の問題児3人組、好奇の視線や奇異の目を堂々と彼らに向けられる者はいない。
そしてそれをいいことに、まるで今までとなにも変わりなく、あたかもそれが当然であるかのように振る舞う3人は、相当図太い神経をしていると言っても良さそうだ。
「つかさー、購買の限定チョコメロンパン、俺が買いに行くといっつも最後の一個なんだけど!」
「え、いいなぁ。」
「何だよーお前は桃恵さんの弁当あんじゃんか! んでね、俺が思うに、みんなきっと俺がこれ好きなの分かってて最後の一個はエンリョしてくれてんだよ。やっさしーなぁ」
「それってある意味強迫観念じゃない? 遠慮というよりは」
「きょ……は? どゆイミ」
「要するに、無意識のご機嫌取り、ってこと」