海の果てに-君は海賊-
リ「あたし…っ、足手まといだから…、なにもできないから…っ」
ヨ「…馬鹿やろ。こんな馬鹿滅多にいねぇ」
嗚咽混じりに言った言葉
本当は口にしたくなんてなかった。…認めたくなかったんだ。
そんなあたしをヨクは、勢いよく己に引き寄せた。ヨクの堅い胸板が鼻に強打し、僅かな痛みも伴う。
リ「ヨク…?」
ヨ「んなこと、言うな。足手まといだったら、とっくに海にでも放り投げてるっつーの」
…っ。
ヨクの優しさが不器用さが…。身に染みる。
リ「守って、くれて…っ、ありがと、う…っ」
ヨ「…あたりまえのことだ」
…安心する。
ヨクが纏うこの雰囲気。
リ「ヨク…甘えていい?」
安心しちゃってたから?気が動転してたから?わからないけど、こんなことを口にしてしまった。
ヨ「…!餓鬼だな。…ほら、優しいヨク様が胸貸してやるよ」
両腕を広げて招くする動作をするヨクに、あたしは迷うことなく飛び込んだ。