海の果てに-君は海賊-
先程まで騒がしかった船内が一気に静まり返る。
そして、そんな沈黙をつくった張本人はガリュウとヨクに鋭い睨みを利かせていた。
ヨ「…フィ、フィン…お、落ち着け?な?」
ガ「そ、そうだぞ…」
フィンと呼ばれる彼女はゆっくりと立ち上がると、今にも殴り合いが勃発しそうだった2人のもとへと歩み始めている。
それにヨクは慌てふため、ガリュウは顔を青ざめさしていた。
フィ「おい、ヨクにガリュウ…なんなんだ、この状況は?」
ヨ「…あ、えと…」
フィ「…新しい仲間の宴なんだろ?なのに、紹介もせずになにしてんだ?…殴り合いなんてふざけたことやろうとしてたわけじゃないよなぁッ?!」
…こ、怖ッ
その様子を黙ってみていたあたしでもそのフィンって子の怖さを感じた。
これじゃあ…あの、ヨクとガリュウがビビるのもわかる気がする。
フィ「…たくっ、相変わらず子供すぎんだよ、テメェらはよ」
縮こまるヨクとガリュウにそんな言葉を投げ捨てるフィン。
そんなフィンがあたしのもとへ向かって来るではないか。