海の果てに-君は海賊-
リ「え、ちょ…ッ」
真っ直ぐ、真っ直ぐ…あたしの元に歩み寄ってくるフィン。
確実に近くなっていくあたしとフィンの距離。
リ「………」
そして、とうとうフィンはあたしの目前まで来てしまっている。
あたしよりはるかに高い背丈。的を射るような鋭い眼光は青みがかっていて、この人にぴったりだと思う。
…ヤバい。
リ「綺麗…」
そう呟いてしまったのは無意識だった。
フィ「…え?」
さっきはドスの利いた凄い低い声だったのに、今は透き通るような…優しい声色をしている。
青い目にピッタリの金色の髪が揺れて…あたしは見とれてしまっていた。
フィ「リ、リウちゃんだよね…?」
リ「…ハッ!」
透き通るような優しい声色で名前を呼ばれて、あたしはハッと我に返る。