海の果てに-君は海賊-
5、海、荒れ模様
ガッターンッ!!
それは突然だった。
リ「えっ?!」
船がものすごい爆音とともに揺れる。甲板でフィンとお茶をしていた私。今の衝撃でカップを落ち、パリーンという音を立てて割れてしまっていた。
フィ「砲弾?!」
いつも落ち着いているフィンのいつになく慌てた声が聞こえる。
砲弾…?
砲弾?!
理解したと同時に、辺りに…船中に響き渡る罵声。
ヨ「敵襲だ!戦闘員出てこい!」
ヨクの声に私は思考が停止した。
だって…今。
なんて言った…?
リ「敵襲…?」
呆気にとられる私を引っ張る手。ヨクだ。
ヨ「なにボサッとしてんだ!リウは部屋にいろ!」
そう、荒々しく部屋にいれられ、荒々しく扉が閉まった。
私は数分そこに立ち尽くす。
リ「海賊……」
最近、平和すぎて忘れていた。ガリュウ達は紛れもなく海賊なんだ。敵襲なんて…当たり前なんだ。ガリュウの船にもお宝はある。当然、相手の船にもお宝はある。海賊が戦う理由が揃ったんだ。