本物の愛
この前のことっ!

謝らなきゃ!

「この前は…その、ごめんね?
彼氏がなんもしてないのに怒鳴って。
寝てたみたいだから迷惑だったでしょ?」

あたしは少し噛みそうになりながらもなんとか耐えて、謝った。


唯人くんは笑った顔のまま。

「大丈夫だよ、全然気にしてないし。
あれほど怒鳴れば大切にされてるんだね。 彼氏さんのことやっぱ好きでしょ?」


笑顔でなんて聞かれたんだ。


やっぱり嘘でも好きって言うべき?

一応、付き合ってるわけだしね。

「…うん。好き…、だよ」

精一杯の笑顔で言ってみた。

何も発さない唯人くんを不思議に思って見ると、真剣な顔してあたしを見てる。


あたしと唯人くんの目線が絡んだ。

恥ずかしくて恥ずかしくてそらしたい。


でも、あまりにもきれいな漆黒な目だったからそらせなかった。

ねぇ…、なんか言ってよ…。

このままぢゃ胸が苦しい。

すっごく苦しいよ。


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