本物の愛
なんで……知ってるの?

「…見たの?」

「見たってダチが言ってたんだよ」

別に一緒にいてもいいぢゃない。

何もやましいことはしてないんだから。


「別にたまたま会っただけ。やましいことなんて全くないよ」

「紅香は俺の女だ」


そう言って、ブラウスのボタンに手をかけた。

あぁ…またこのパターンか。

そうだろうなって思ってた。

タクに限って、別れ話なんてないよね。


──────

タクと一つになる瞬間…。

どうしようもなく、やるせなくなる。

快楽なんてない。

心地よさなんて感じない。

ただの………。


何も愛がない行為。
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