本物の愛
高校2度目の春。

新しい春の空気が身を包む。

新学期になっても特に何も変わらない。


あたしの生活も……。

あたしの心も…。


【形】だけの恋人と、

そこには愛がないのに体を重ねている。

本当は愛し合っている者どうしでやる行為なのに……。


「はぁ…、ん…」

甘い声が響く、ほこりっぽい空き教室。

「…愛してるよ、紅香」

この言葉に感情はないくせに…。

そんなことを口にしている恋人。

本当はこんなことをしたいわけぢゃない。


ただ少し期待してみる。

この人ならあたしに本気で愛する気持ちを教えてくれるんぢゃないかって…。

でもすぐにその期待は裏切られる。


やっぱり何も分からないまま…。
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