本物の愛
行為が終わると、タクは即寝た。

あたしはその横で静かに天井を見ていた。

このむなしい気持ちはいつもと変わらない。
ましてやいつもより増してる。

早く、帰りたい。


帰ろう…。

「…タク、あたし帰るね」

タクの体を揺さぶってそう告げた。

着替えて、鞄を持って、タクの家へと出た。


少しくらい起きてもいいぢゃない。

『ぢゃあな』くらい言うでしょ。

そんなことを思って歩く帰り道。
< 20 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop