本物の愛
じっと見ていると、
唯人くんとぱちっと目が合った。

近距離で目が合ったことで恥ずかしくて、
顔が熱い……。

目が合ったと同時に沈黙になってしまった。

あたしは目線をそらして、話かけた。

「さ……、桜ってきれいだよね?あたし、桜大好き、なんだぁ」

ちょっと噛みかみだけど、大丈夫だよね?

ちゃんと言えてるよね?


唯人くんは目線を花びらに向けた。

「…花ってさ…、不思議」

「……え?」

不思議…?

あたしは全く意味が分からない。
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