本物の愛
朝だから余計、頭回んないし…。

「はよ!紅香。学校行こう?」

とびきりの笑顔であたしの腕をつかんで、
引っ張った。


タクの手に入る力で分かった。

あたしを完全に恨んでる。

あたしの腕は潰されそうなくらいの力で掴まれていて、ほどけない。

振り払いたいのにそれができない。


「い…っ、痛いよ!タク!」

あまりの痛さで顔が歪む。

そんなことも知らないで、タクはぐいぐい
引っ張って歩く。

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