本物の愛
屋上につくと、一気に熱い日差しがあたしを包んだ。


あつい…。春なのになぁ…。

やっぱり地球温暖化だ。


あたしは唯一、ひかげがある場所まで行った。

そこには屋根がとりつけられている。

それに太陽と反対側だから日も当たらなくて涼しい。

ひかげの場所まで行くと、誰か人が壁に寄り掛かって寝ていた。


男の人…?

誰なんだろう?

今、授業中だからあたしと同じでサボってるのかな?


ゆっくりと近付いて、静かに顔をのぞいてみた。

見れば、きれいな顔だちだ。

いわゆる美少年というかんじの…。

きれいな人…。

無意識にそう思っていた。


髪の毛さらさらだ……。

少しだけ触れてみたくなって、そろそろと手をのばした。


栗色のふんわりな髪の毛をそっと触れた。

やわらかい……。

「……ん…」

少しだけ声を漏らして起きた様子。

あたしは少し焦って手を引っ込めた。


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