本物の愛
「今日一緒に帰れるよね?かすみ」
放課後になり、帰る支度をする。
ポーチを鞄の中に詰めてチャックを閉めた。
「今日ー?無理だよ?委員会の手伝いあるからさ♪紅香まってる?」
「いや…先帰らさせていただきます」
「そっかぁ!んぢゃねーっ」
「うん。ばいばい」
足早に玄関まで歩き、ローファを履いて自分の傘を探す。
でも探しても探しても見当たらない。
「あれー?誰か間違えて持ってっちゃったかなぁ?」
普通のビニール傘だから間違えて持ってったんだろうな…。
でも最悪だ。
びしょびしょになって帰らないといけない。
「最悪ー!どうしよ…(泣)」
「ぢゃあ俺と相合い傘しねぇ?」