本物の愛
「唯人が濡れちゃうぢゃん!」
「え?平気だから、別に」
無理矢理、唯人を傘の中に入れた。
「だめだって!風邪ひくよ?」
「大丈夫だって!身体じょうぶだから♪」
そう言われても、あたしのために強い雨に打たれるのを見るのは嫌だ。
一人で傘の中にいて…。
唯人には無理してほしくないの。
「風邪………ひくよ…?」
あたしが遠慮がちにもう一回つぶやけば。
唯人は、困ったような顔をした。
すぐにまたにっこり笑って。
「ぢゃあ、うさぎ公園まで送ってよ」
「え……うん!分かった」
二人で相合い傘をしながらうさが公園に向かった。