本物の愛
うさぎ公園につくとすぐに屋根がある大きなベンチへと行った。
それからびしょびしょになった傘を閉じた。
「ごめんな。俺のせいで肩、こんなに濡らして」
唯人の身体が大きくて、相合い傘をしている時にちょっと身体がはみ出てたんだ。
「全然大丈夫。唯人はいっぱい濡れてるんだから…」
あたしがそう言ったら少しだけ笑った。
「今日は助けてくれてありがとね」
素直にお礼を言ってみた。
いつも唯人はあたしを助けてくれようとしてくれたから。
「うん。怖かった?」
「うーん…キモかった(笑)」
「ぶはっ(笑)キモいとか」
またケラケラ笑い出した唯人。
笑いじょーこなのかな?
「…でも紅香が無事でよかった」
ふんわり柔らかく笑った。
やっぱり美少年だなーぁ。
改めて何度も思う。
「…うん」
なんだか恥ずかしくて目をそらした。
「紅香っ、ばいばい!」
唯人が無邪気に言うから顔を上げると……………。