本物の愛


「……っふあ……ん…っ」

どうしよう…。

今 あたしキスされてるよ…。

苦しい…っ!酸欠になる…!!!

3分後に顔が離れた。


「…っはぁ、はあ」

「ごめん。苦しかった?」

あたしに謝ってる顔は切なそうに顔を歪めていた。


いつも笑ってる顔しか見てないからこんな顔もするんだぁ、と思った。


「苦しかっ、た…」

やっぱり目線を合わせられなくてうつむく。


「あーあ。キスしてごめんな?
紅香の手伝いのつもりで付き合ってるのに。仮なのにな…。ごめん」


そう……だよね。

仮だもんね。

いくら付き合ってるからって、だめだよね。

分かってるから。


「大丈夫だよ…。気にしてない」

必至で作り笑顔で笑った。

「……そっか。ぢゃあ風邪ひかないように気をつけれよ」

そう言って雨の中、走って行って消えてしまった……。
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