本物の愛


今はもう───…。



本物の恋を知ってしまったから。

できない。

「ごめん。そうゆうこともうできない」


唯人の優しさはあたしを見事に変えてくれたのだから。

だからそういうことは二度としない。


「……紅香、変わったな」

「うん」

「その彼氏のこと本気で好きなんだな」

「……うん」


樹はあたしを押さえ付けたまま動かなくなってしまった。


なんでかな?

今の状況は怖いはずなのに、全然今は怖くないんだ。

犯されてしまうかもしれないのに。

たぶん樹が優しくてこんなことしないって信じてるからかな。


< 89 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop