本物の愛
花火大会
「ねーぇ!紅香っ!」
「ん?」
あたしが早退してから一週間。
一階の売店近くの自販機でお茶を買っている時。
いつもよりニコニコなかすみに話しかけられた。
「ねぇ!良い話聞きたくない?」
「良い話?」
「うん。聞きたい?」
きらきら目を輝かせて言うかすみにちょっと意地悪したくなった。
あたしはにやっと笑って顔をそらした。
「別に聞かなくてもいい」
あたしがそう言うと、かすみは。
「なぁんでぇ~?」
すっごく残念がっていた。
ふふ(笑)おもしろい♪
かすみをいじるのはとっても楽しい。
「聞いて欲しい?」
あたしが逆にそう聞くと。
「聞いて下さいっ(泣)」
と、今にも泣きそうな顔して言った。