ももいろ
スタジオ練習が終わって、俺はサツキさんのマンションに帰ってきた。
2時か。
サツキさん、この時間は寝てるのかな…
俺はなるべく音を立てないように玄関を開けた。
リビングに行くと、サツキさんがスウェット姿でテレビを見ながら、お風呂上がりらしくタオルで頭をガシガシ拭いていた。
「あれ?おかえり」
不思議そうな顔で俺を見ている。
「ただいま。バイトがない日は、この時間に帰ってきます」
「あ、そうなの」
「っていうかサツキさん」
「はい?」
「そんな頭ガシガシ拭かない。髪痛む」
せっかくさらさらのストレートなのに。
「…」
サツキさんの顔には、大きなお世話だと書いてある。
…ような気がするけど、まあいいや。
俺は怒ってるんだよ。
サツキさんはソファの隅っこに体操座りしていたから、俺は反対の隅っこに座ってサツキさんを見た。
一言、もの申さなければと思ってたんだよ。
「あ、司くん!」
「…はい」
もの申したいんですけど。
まあいいや、聞いてあげよう。
「朝ご飯、ありがとう!すっごい、おいしかった。司くん、お料理上手だね」
「あ、おいしかった?」
「うん!」
満足していただけたみたいでよかった。
サツキさんがニコニコしているので、俺はちょっと嬉しくなった。
これからもっと腕をふるっちゃうよ?
「サツキさんって、いつ家にいていつご飯食べるの?」
「え?」
「ほら、献立とかいろいろ考えないと」
「…水、金、土が仕事」
なるほど。
「仕事の日は朝ご飯以外はお店で食べるから」
「お弁当は?」
「おべっ…」
サツキさんは目をまん丸にして驚いた後、激しく首を振った。
「いい、いい!そこまでしてくれな…」
そこまでしてくれなくていい、とか言う気?
と俺の顔に出てしまったのかどうかは知らないけど、サツキさんは途中で言葉を切って言い直した。
「あの、お客さんが持ってきてくれるし」
へえ、そうなんだ。
よくわかんないけど、そういうもんなんだ?
2時か。
サツキさん、この時間は寝てるのかな…
俺はなるべく音を立てないように玄関を開けた。
リビングに行くと、サツキさんがスウェット姿でテレビを見ながら、お風呂上がりらしくタオルで頭をガシガシ拭いていた。
「あれ?おかえり」
不思議そうな顔で俺を見ている。
「ただいま。バイトがない日は、この時間に帰ってきます」
「あ、そうなの」
「っていうかサツキさん」
「はい?」
「そんな頭ガシガシ拭かない。髪痛む」
せっかくさらさらのストレートなのに。
「…」
サツキさんの顔には、大きなお世話だと書いてある。
…ような気がするけど、まあいいや。
俺は怒ってるんだよ。
サツキさんはソファの隅っこに体操座りしていたから、俺は反対の隅っこに座ってサツキさんを見た。
一言、もの申さなければと思ってたんだよ。
「あ、司くん!」
「…はい」
もの申したいんですけど。
まあいいや、聞いてあげよう。
「朝ご飯、ありがとう!すっごい、おいしかった。司くん、お料理上手だね」
「あ、おいしかった?」
「うん!」
満足していただけたみたいでよかった。
サツキさんがニコニコしているので、俺はちょっと嬉しくなった。
これからもっと腕をふるっちゃうよ?
「サツキさんって、いつ家にいていつご飯食べるの?」
「え?」
「ほら、献立とかいろいろ考えないと」
「…水、金、土が仕事」
なるほど。
「仕事の日は朝ご飯以外はお店で食べるから」
「お弁当は?」
「おべっ…」
サツキさんは目をまん丸にして驚いた後、激しく首を振った。
「いい、いい!そこまでしてくれな…」
そこまでしてくれなくていい、とか言う気?
と俺の顔に出てしまったのかどうかは知らないけど、サツキさんは途中で言葉を切って言い直した。
「あの、お客さんが持ってきてくれるし」
へえ、そうなんだ。
よくわかんないけど、そういうもんなんだ?