ももいろ
【ホスト・2】
カーテンから差し込む日差しが眩しくて、あたしは目を覚ましたが、
「ウッ…気持ち悪い…」
またシーツにくるまった。
ちょっと飲み過ぎたな…
時計に目をやると10時30分。
3時間しか寝てない。
今日は仕事休みだっけ…
喉が渇いたから、水を飲もうとベッドを降りようとした。
「…!?」
足に感じたのは、フローリングの堅い感触ではなかった。
「痛い…」
「つ、司くん!?」
あたしは床に転がっている司くんの横っ腹を踏んづけていた。
司くんはあたしの部屋に、枕とタオルケットを持ち込んで寝ていたようで、寝ぼけ眼であたしを一瞥した後、タオルケットにくるまってしまった。
な、な、な、なんで!?
あたしは記憶を辿った。
昨日はホストクラブに行って…
さんざん飲んで、担当ホストに絡んで…
ふらふらで歩けなくなったから、タクシーでマンションの前まで送ってもらって…
そうだ、司くんと鉢合わせしたんだった。
ちょっと…
あたしは完璧に思い出して、赤面した。
酔ったからと言って、誰かさんみたいに記憶が飛ぶことはめったにない。
覚えてる、うん、ばっちり覚えてる。
司くんに絡もうとしたけど、とんちんかんな返事ばかりするから、イライラした。
司くん、すごく困った顔をしていたな…。
それで、あたし、司くんに一緒にいてって言っちゃったっけ。
うわあ、恥ずかしい。
だから司くんは、言葉通り一緒にいてくれたんだろう。
クリーム色の芋虫みたいになってもぞもぞしている司くんを見て、笑ってしまった。
今、この瞬間、一緒にいてっていう意味じゃなかったんだけどな…
あたしは芋虫を優しくとんとんと叩いた。
「今日のご予定は?」
「…16時から…打ち合わせ…」
そっか、じゃあまだ寝てても大丈夫なんだ。
堅い床で寝て、腰とか背中とか痛くなると可哀想だから、あたしは司くんにベッドに行くように促した。
「いい…」
芋虫はイヤイヤしている。
「ウッ…気持ち悪い…」
またシーツにくるまった。
ちょっと飲み過ぎたな…
時計に目をやると10時30分。
3時間しか寝てない。
今日は仕事休みだっけ…
喉が渇いたから、水を飲もうとベッドを降りようとした。
「…!?」
足に感じたのは、フローリングの堅い感触ではなかった。
「痛い…」
「つ、司くん!?」
あたしは床に転がっている司くんの横っ腹を踏んづけていた。
司くんはあたしの部屋に、枕とタオルケットを持ち込んで寝ていたようで、寝ぼけ眼であたしを一瞥した後、タオルケットにくるまってしまった。
な、な、な、なんで!?
あたしは記憶を辿った。
昨日はホストクラブに行って…
さんざん飲んで、担当ホストに絡んで…
ふらふらで歩けなくなったから、タクシーでマンションの前まで送ってもらって…
そうだ、司くんと鉢合わせしたんだった。
ちょっと…
あたしは完璧に思い出して、赤面した。
酔ったからと言って、誰かさんみたいに記憶が飛ぶことはめったにない。
覚えてる、うん、ばっちり覚えてる。
司くんに絡もうとしたけど、とんちんかんな返事ばかりするから、イライラした。
司くん、すごく困った顔をしていたな…。
それで、あたし、司くんに一緒にいてって言っちゃったっけ。
うわあ、恥ずかしい。
だから司くんは、言葉通り一緒にいてくれたんだろう。
クリーム色の芋虫みたいになってもぞもぞしている司くんを見て、笑ってしまった。
今、この瞬間、一緒にいてっていう意味じゃなかったんだけどな…
あたしは芋虫を優しくとんとんと叩いた。
「今日のご予定は?」
「…16時から…打ち合わせ…」
そっか、じゃあまだ寝てても大丈夫なんだ。
堅い床で寝て、腰とか背中とか痛くなると可哀想だから、あたしは司くんにベッドに行くように促した。
「いい…」
芋虫はイヤイヤしている。