ももいろ
司くん達のワンマンライブを、あたしは見に行こうと思っている。
小雪が、あたしのぶんもチケットを取ってくれるって。
司くんには内緒。
この前、家に来たときに、帰り際、小雪はあたしの耳元で言った。
「惚れ直すよきっと」
そんなの…
そうかなあ…
あたしは、司くんが用意してくれておいた朝ご飯を食べながら、変な気持ちになっていた。
なんか、もぞもぞする。
胸のへんが。
司くんがどうのこうの、っていうまえに、あたし自身、こんな気持ちになるのは久しぶりで。
「ごちそうさまでした」
あたしは司くんの部屋にむかって手を合わせた。
さて、仕事に行きますか。
この、気持ちのいいもやもやは、家に置いていくことにしている。
こんな素敵な物を、店に持ち込みたくない。
そう思っていても、形のあるものじゃないから、どうしてもうまくいかない。
あたしは以前よりも、気分の浮き沈みが激しくなったような気がする。
出勤は、相変わらず増やしたまま。
司くんと顔を合わせる時間が少なくて済むから。
なるべくなら沈んだ気分のままでいたい、そっちのほうが楽。
それでも、家に帰ってくると司くんの気配がする。
司くんと会える。
嬉しい分だけ、後で自分がつらくなる。
小雪は、簡単なことのように言っていたっけ。
「風俗辞めたら?」
って。
借金があるわけじゃないし、いつでも辞められるけど、それでも続けているのは…
なんだかんだ言って、楽だから。
体もきついし、精神的にもかなりくるけど、楽なのよ。
お金に困ることは絶対にないし。
出勤自由だし。
いろんなこと我慢すれば、なにも頑張らなくてもそれなりにやっていける。
ぬるま湯なのよ、あたしにとって。
あがる事なんて考えてない。
あがる理由がない。
今更、普通の仕事でキッチリと働いていける自信も、度胸も、勇気も、ない。
ダメだなぁ…。
小雪が、あたしのぶんもチケットを取ってくれるって。
司くんには内緒。
この前、家に来たときに、帰り際、小雪はあたしの耳元で言った。
「惚れ直すよきっと」
そんなの…
そうかなあ…
あたしは、司くんが用意してくれておいた朝ご飯を食べながら、変な気持ちになっていた。
なんか、もぞもぞする。
胸のへんが。
司くんがどうのこうの、っていうまえに、あたし自身、こんな気持ちになるのは久しぶりで。
「ごちそうさまでした」
あたしは司くんの部屋にむかって手を合わせた。
さて、仕事に行きますか。
この、気持ちのいいもやもやは、家に置いていくことにしている。
こんな素敵な物を、店に持ち込みたくない。
そう思っていても、形のあるものじゃないから、どうしてもうまくいかない。
あたしは以前よりも、気分の浮き沈みが激しくなったような気がする。
出勤は、相変わらず増やしたまま。
司くんと顔を合わせる時間が少なくて済むから。
なるべくなら沈んだ気分のままでいたい、そっちのほうが楽。
それでも、家に帰ってくると司くんの気配がする。
司くんと会える。
嬉しい分だけ、後で自分がつらくなる。
小雪は、簡単なことのように言っていたっけ。
「風俗辞めたら?」
って。
借金があるわけじゃないし、いつでも辞められるけど、それでも続けているのは…
なんだかんだ言って、楽だから。
体もきついし、精神的にもかなりくるけど、楽なのよ。
お金に困ることは絶対にないし。
出勤自由だし。
いろんなこと我慢すれば、なにも頑張らなくてもそれなりにやっていける。
ぬるま湯なのよ、あたしにとって。
あがる事なんて考えてない。
あがる理由がない。
今更、普通の仕事でキッチリと働いていける自信も、度胸も、勇気も、ない。
ダメだなぁ…。