ももいろ
九月に入り、夜は少し過ごしやすくなった。
あたしがリビングでボンヤリ髪を乾かしていると、玄関で物音がした。
バタン
ドスドスドス
司くんだった。
「おかえり」
「…ただいま」
司くん、顔、こわっ!
あたしと目を合わせずに、部屋に引っ込んでしまった。
どうしたんだろう。
いやなことでも、あったのかな…。
気になるけど、あれこれ聞くような関係でもないし…。
すごく気になったけど、そのまま知らん顔することにした。
ガチャッ
司くんが部屋から出てきて、
「サツキさん。ワイン、いただいていい?」
と尋ねてきた。
「いいけど…」
答え終わる前に、司くんはキッチンに行ってしまった。
大丈夫なのかなぁ。
グラスを二つと、シャンパンを持ってきて、あたしのぶんもついでいる。
「どぞ」
「あ、ありがとう…」
「…」
「…」
飲まないんだ。
司くんは、テーブルに置いたワイングラスを凝視して、何かを一生懸命我慢してるみたい。
なんだか、泣きそうに見える。
あたしはそっと、司くんの頭に手を置いて、
「…ヨシ、ヨシ」
撫でてみた。
子供扱いしないでよっ!て怒られると思ったけど、そのままおとなしくしている。
しばらく、撫で続けた。
この重い空気、なんとかならないかな…。
「…~♪」
思いついたメロディをくちずさんだら、司くんは驚いた顔であたしを見た。
「それ…」
「うん、司くんの部屋から、聞こえてきてたから、覚えちゃった。~♪、ん~♪だっけ」
司くんは、ゴシゴシと顔をこすって、あたしの腕をひっぱって体を引き寄せた。
「!」
司くんはあたしを一瞬ぎゅっと抱きしめて、耳元で、
「ありがと」
とぼそっとつぶやいて、グラスのシャンパンを一気に飲み干し、
「シャワー浴びて頭冷やしてくる…」
とリビングを出て行こうとした。
あたしは驚いて、
「水シャワーはダメだよ!風邪引くよ!」
と注意したら、司くんはいつもの笑顔で、
「馬鹿だなあサツキさん。ものの例えだよ。普通にお湯で浴びます」
とリビングのドアを閉めた。
あたしがリビングでボンヤリ髪を乾かしていると、玄関で物音がした。
バタン
ドスドスドス
司くんだった。
「おかえり」
「…ただいま」
司くん、顔、こわっ!
あたしと目を合わせずに、部屋に引っ込んでしまった。
どうしたんだろう。
いやなことでも、あったのかな…。
気になるけど、あれこれ聞くような関係でもないし…。
すごく気になったけど、そのまま知らん顔することにした。
ガチャッ
司くんが部屋から出てきて、
「サツキさん。ワイン、いただいていい?」
と尋ねてきた。
「いいけど…」
答え終わる前に、司くんはキッチンに行ってしまった。
大丈夫なのかなぁ。
グラスを二つと、シャンパンを持ってきて、あたしのぶんもついでいる。
「どぞ」
「あ、ありがとう…」
「…」
「…」
飲まないんだ。
司くんは、テーブルに置いたワイングラスを凝視して、何かを一生懸命我慢してるみたい。
なんだか、泣きそうに見える。
あたしはそっと、司くんの頭に手を置いて、
「…ヨシ、ヨシ」
撫でてみた。
子供扱いしないでよっ!て怒られると思ったけど、そのままおとなしくしている。
しばらく、撫で続けた。
この重い空気、なんとかならないかな…。
「…~♪」
思いついたメロディをくちずさんだら、司くんは驚いた顔であたしを見た。
「それ…」
「うん、司くんの部屋から、聞こえてきてたから、覚えちゃった。~♪、ん~♪だっけ」
司くんは、ゴシゴシと顔をこすって、あたしの腕をひっぱって体を引き寄せた。
「!」
司くんはあたしを一瞬ぎゅっと抱きしめて、耳元で、
「ありがと」
とぼそっとつぶやいて、グラスのシャンパンを一気に飲み干し、
「シャワー浴びて頭冷やしてくる…」
とリビングを出て行こうとした。
あたしは驚いて、
「水シャワーはダメだよ!風邪引くよ!」
と注意したら、司くんはいつもの笑顔で、
「馬鹿だなあサツキさん。ものの例えだよ。普通にお湯で浴びます」
とリビングのドアを閉めた。