ももいろ
「ごめ…なんでもな…」

司くんは戻ってきた時の勢いとは逆に、オロオロしはじめた。

司くん…。

「サツキさん…」

司くんはあたしの頭をよしよしと撫でた。

「俺が帰ってくるまで待ってて?一緒に飲も?ね?」

なんでそーなる…

でもあたしはなんだかわけがわからなくなってきて、どんどん涙がこぼれてきた。

司くん…。

「わ、わ。そんなにホストに行きたいの?」

違う。

「そんなにストレス溜まってたんだね…気付かなくてごめんね?」

違う。

「うーん。飲みすぎないなら…少しだけなら、行ってもいいよ?俺はほんとはやだけど」

「違うって」

「んっ?」

「司くん」


ごめんね司くん、あたし自分でわけがわかんないけど、司くん、優しいから


少し

少しだけ

甘えさせてください


「違うって…?じゃあ、どうしたの?サツキさん」

「司くん」

「はい」

「待ってる…いってらっしゃい。がんばってね」

司くんは一瞬きょとんとした後破顔して、あたしの頭をくしゃくしゃとした。

「うん!ありがと!俺がんばるよ!打ち上げ、そんなに遅くならないだろーし。待っててねサツキさん!じゃ、いってきまーす」

司くんは、ニコニコと出ていった。



はぁ…

あたしって…

意味わかんないよ…



でも、すごく嬉しい。

司くんは、あたしが司くんに興味ないと思ってるから優しくしてくれてるのに…


ごめんね司くん。


実は好きになっちゃったんです。



すごく…

好きです。

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