ももいろ
振り向くと、最後のバンドのボーカルの子だった。
「アンケート?」
「はい。お願いしまーす」
紙を渡してきたその子は、ステージの上にいるときは前髪が半分顔にかかっていたからわからなかったが、近くで見ると今時の子っぽいなかなか可愛い顔をしていた。
あたしは、何か書けることがあるかわからないけどとりあえず用紙を受け取った。
鶴田さんが男の子に話しかけた。
「なんだ司、俺も書くのか」
司と呼ばれた男の子は、一瞬きょとんとしてから、
「あれ…オーナー。なんでこんなとこにいるんですか?さっきウチの谷川が探してました。まあいいや、ついでだから書いてください」
鶴田さんにも用紙を渡した。
「マジでか?俺いつも見てるじゃねえか、意味なくね?」
「もう渡しちゃいましたから書いてください」
男の子は飄々と言ってのけた。
「おまえはいつもなんかズレてんなあ。あ、サツキちゃん、こいつ最後のバンド、TKOのギターとボーカルの司。しめじっぽくない?こいつ」
あたしは一瞬意味がわからなかった。
「しめじって?きのこのしめじ?」
どうしてしめじなんだろう?
「こいつ昔金髪だったんだけど、髪黒くしてから、なんかしめじに見えるんだよ色白いし」
あたしは司くんを改めて見た。
しめじ…
「プッ」
「笑われた…」
司くんは少しふくれっ面になったが、すぐ何かを思い出したように鶴田さんに話しかけた。
「あ、そうだオーナー、さっきの話の続きなんですけど、俺の部屋…」
「ああ、うん、困ったな。まあ、打ち上げの時にでもゆっくり話そうや。あ、そうだ、サツキちゃんも来ないか?」
打ち上げ?
「あたしは…」
知らない人たちとあまり話したくないから、断ろうと思ったが、司くんがあたしのアンケートを指さして言った。
「じゃあ、それ。打ち上げの時、提出してくださいね」
「え、ちょっと」
司くんはすたすたと他のお客さんにアンケートを配りに行ってしまった。
歌ってるときはすごく大人っぽく見えたのに、なんだかちょっと足りない子なんだろうか?
「アンケート?」
「はい。お願いしまーす」
紙を渡してきたその子は、ステージの上にいるときは前髪が半分顔にかかっていたからわからなかったが、近くで見ると今時の子っぽいなかなか可愛い顔をしていた。
あたしは、何か書けることがあるかわからないけどとりあえず用紙を受け取った。
鶴田さんが男の子に話しかけた。
「なんだ司、俺も書くのか」
司と呼ばれた男の子は、一瞬きょとんとしてから、
「あれ…オーナー。なんでこんなとこにいるんですか?さっきウチの谷川が探してました。まあいいや、ついでだから書いてください」
鶴田さんにも用紙を渡した。
「マジでか?俺いつも見てるじゃねえか、意味なくね?」
「もう渡しちゃいましたから書いてください」
男の子は飄々と言ってのけた。
「おまえはいつもなんかズレてんなあ。あ、サツキちゃん、こいつ最後のバンド、TKOのギターとボーカルの司。しめじっぽくない?こいつ」
あたしは一瞬意味がわからなかった。
「しめじって?きのこのしめじ?」
どうしてしめじなんだろう?
「こいつ昔金髪だったんだけど、髪黒くしてから、なんかしめじに見えるんだよ色白いし」
あたしは司くんを改めて見た。
しめじ…
「プッ」
「笑われた…」
司くんは少しふくれっ面になったが、すぐ何かを思い出したように鶴田さんに話しかけた。
「あ、そうだオーナー、さっきの話の続きなんですけど、俺の部屋…」
「ああ、うん、困ったな。まあ、打ち上げの時にでもゆっくり話そうや。あ、そうだ、サツキちゃんも来ないか?」
打ち上げ?
「あたしは…」
知らない人たちとあまり話したくないから、断ろうと思ったが、司くんがあたしのアンケートを指さして言った。
「じゃあ、それ。打ち上げの時、提出してくださいね」
「え、ちょっと」
司くんはすたすたと他のお客さんにアンケートを配りに行ってしまった。
歌ってるときはすごく大人っぽく見えたのに、なんだかちょっと足りない子なんだろうか?