【完】友達以上恋人未満。~それがオレの恋~
倒れていたはずのお父さんが、なぜかあたしの上に馬乗りになっていた。
「…なんで」
「だってお前いつまで経っても帰ってこないんだもん。ああでも言わないと」
「うそ…付いたの?」
「それより、お前…まだあいつと付き合ってんのかぁ?」
それよりって何よ…。
心配して帰ってきたのに…嘘だったの?
「あいつって…」
「蓮池陽。同じ大学まで受けやがって。俺そんなこと聞いてないんだけど?」
「関係ないでしょ…」
あんたなんかに…。
「さっきみたいに父さんって呼べよ。あ?」
「嫌だ。あんたなんか、お父さんじゃない……」
「あ…?だれのおかげでこんなに育って来たと思ってんだ?」
「あんたじゃないことだけは確かだよ」
今にも零れ落ちそうな涙を抑えて、睨みつけた。
父親らしいことなんかしたこそないくせに…