【短】野球ボール〜励ちゃんの春〜
パーンッ
うーん、球が走らない。
何でかなー…。
「今日は体調悪いか?さっきから上の空だけど」
心配してくれる一個上のキャッチャーの大野さん。
「すみません。今日の投球練習はこれで終わってもいいですか?」
「分かった。無理すんなよっ」
ちょっとベンチに戻って休憩。
俺、本当に体調悪いのかなー…。
「今日はもう投げねぇの?」
声をかけてきたのは一輝。
「ちょっとね…」
何て言っていいか分からず、曖昧に答えた。
「明日は投げるよな?」
「え?」
予想外の言葉に驚いて固まってしまった。