僕の魔法使い
ぱっとまりこがいつの間に取り出したのか僕の両手いっぱいに飴玉を降らしたのだ。
あか、きいろ。みどり、あお、みどり。
ぽろとすくい損ねたいくつかがあぜ道に落ちたのを知りながら、飴玉を両手に持ったままでは拾うことも出来なくて。
僕は僕より頭半分ほど低いところにあるまりこの顔色を伺うと、まりこはふわと笑った。
「魔法のキャンディだよ。それを食べたらねぇ、なんでもお願いがかなうんだから」
ね、良いことあったでしょ。
そう言って人差し指を僕の唇に当てた彼女は飛び切り可愛くて、愛おしくて。