TIME
八城の家に着くと窓は明かりを漏らしていない真っ暗だった。

「今日はお父さんもお母さんもいないから」


あぁ、それで散歩できたのか。


「そっか、早く寝ろよ」


「うん、ありがとう。じゃぁね」



明るくなった八城宅の玄関前で


手を降る八城の手を見た時。





俺はその左手に電灯に反射して輝く腕時計を見た気がした。



もう一度良く見ようと自転車から目線を移し八城を見ると



八城は既に玄関の向こうへと消えていた。

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