TIME
「おはよう」

「おはよう」



次の日の朝、教室で顔を合わせた八城との会話はこんなものだった。


もともと親しく会話する仲ではないので、一言挨拶をする程度が今の俺ができる唯一の言葉だった。



俺は自分の席に座ると前の席に座る里田に話しかけた。


「里田、おはよう。今日もいい朝だな」

「何お前、気持ち悪い挨拶だな」


「俺今日バイトないんだけど」

「え?そうなのか?」

里田は椅子を後ろに向け俺の机に向き直った。


「今日は遊べんの?」

「おぅ、遊べるの」


「よっしゃ!放課後ラーメン食って考えよう!」

「お前、俺の金で食うつもりだろ」

「今日はちゃんと金もってるよ」


その時チャイムが鳴った。

里田は後で詳しく話そう。

と言って椅子を元に戻した。
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