TIME
「さてと」


里田は最後のスープを飲み干した後未だに熱いスープと格闘中の俺に話しかけた。

「どこいく?」

「ちょっと待てよ熱いんだよ」

「早くしろよ、時間は金より大事なんだ」

俺は急かされスープを喉に流し込む。
熱い、少し食道がヒリヒリする。

「わかったよ。で、どこ行きますかね」

じゃあ…と里田は考える素振りを見せるがこいつが何も考えていない事などハナから承知している。

そこで俺が言う。


「カラオケでいいんじゃね?」


里田は待ってましたとばかりに大げさに手を叩く。


「支払いは出世払いでよろしく!」


俺は友達を選んだ方がいいのかもしれない。



俺は虚しさから空を見上げる


今日は快晴だったんだな。


雲一つない空がうっすら紅く染まりつつあった。
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