TIME
「時々思うんだけど」
「何を?」
「里田っていっつも楽しそうだよな」
「そうか?そんなに楽しそうか?」
「そう見えるな。俺には」
「うーん…何か、ちょっと心外だな」
「え?お前でも悩む時とかあるって事か?」
「まぁな、いろいろ考える事があるよ」
「へぇ、なに悩んでるの?教えてみろよ」
「…受験の事とか?」
「自分の悩みを疑問系で言うなよ」
「まぁそんなに大した事じゃないって事だな」
「そうか」
「そうだ」
そっか、と言いながら守中の視線は俺から動いた。
―コイツまた見てやがる。
お前が気付かなくても俺は気付いているからな
「なあ守中…」
「なんだ?」
「お前、最近八城の真似してないか?」
「あ…」
守中は少し赤くなった。
「…八城博美か…」
やめとけばいいのに
里田は赤くなった守中から目を反らし自分の机に向き直った