TIME
「じゃあ、後はよろしくお願いします」



先輩が引き継ぎの男性に挨拶していた。



「お先に失礼します」


「あ、お疲れさま」


俺もその俺より10は年上の男性に一言挨拶をしてそそくさと店を後にした。



それから先輩と二人で少し夜道を歩きながら雑談をしていた。


「でも先輩ってもう20ですよね、何か就職とかしないんですか?」


「うん?あぁ…」


これは言わない方が良かったかな。



「そうなんだが…」



「あ、いや、別に無理に話さなくても良いですよ」





無理に話されても何も言えないし…ちょっと気まずいな



「コンビニのバイトって、やっぱりつまらないかな?」



先輩の言葉を一瞬否定しようとしたが、先輩の目は真剣そのものだったので

俺は自分の意見を正直に話す事にした。




「先輩は、俺から見たらコンビニにはもったいないと思います」




「何で?」



「なんて言うか…先輩にはコンビニとかじゃなくて、スーツ着てバリバリ営業の方がイメージが合うって感じがして…」




「なぁ、高志」


「俺は、高志が思うほどできる人間じゃないし、それにコンビニも悪くないと思う」



「何ですか?」



「コンビニの名脇役…みたいな存在感が好きなんだよ」
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