TIME
繋がりの先の絶望
「良治!待て!」


背後から父親の怒鳴り声が聞こえる。


――待つもんか、待ったってどうせアンタは自分の都合に合わない俺を殴るだけだろう


だから俺は言ってやった。


「その頭でっかちな頭で精神論を学び直してきやがれ!」


――高志、俺はお前の事は知っている。


だからお前が俺と違う事を悔しくもあり


羨ましくもある


だからこそお前に教えてやる


お前が俺達と違う事を証明する為に



……上田……


ありがとう、お前のおかげで楽しかった


俺に本当の優しさを教えてくれてありがとう。


俺は走った



まだ、俺の心臓は止まらない


俺の……里田 良治の最後の悪あがきを見せてやる

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