TIME
――しかし隠されているだけで事実は少し違う


心臓のウィルスではない。

脳に巣食うウィルスなのだ

難しい話は覚えていない

それくらい昔の話だったからだ
治す事のできない病は曖昧にしてはぐらかす

ましてや脳は現代の医学でも証明できないあまりにも謎が多すぎる部分で

絶望が大きすぎる。


そして大きすぎる絶望は風当たりも強すぎる。


だからこそ情報は曖昧にされたまま、時は過ぎていった。


しかし全く成果が無い訳ではない。


脳は分からなくても心臓がヒントになったのだ


生物が刻む鼓動の数は種族により異なるが大体の「目安」となる。


そして一度仮死状態になった発症者の脈は普通のそれと異なり早い


その血圧、脈拍、筋肉の収縮等によりその大体の寿命の数を記録し計算する機械


それが僕達の持つ「腕時計」

その腕時計が表示するのは僕達発症者の短い寿命



そして記録される理由は研究者の「資料収集」
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