TIME
「アイツ人の金でカラオケに来てる癖に歌い過ぎだよな、
俺が1曲入れたら里田は5曲は入れてるよ」
「へぇ、やっぱり里田君は面白いね、それで?他には?」
「だろ?前の夏祭りでも花火上がるのに花火セット持って来てさ、
花火上がってるのに隣でその花火してるんだ、しかも去年のやつだから火がつかない」
「虚しさしかなかったなあの花火には」
「そっかぁ、里田君何してるんだろうね」
「多分元気にやってるよ、そういうヤツだから、それに」
「今は博美の側に居ないと」
「……ありがと」
あれから互いに残された時間を教え合った。
私に残された時間は
約124日、それを過ぎると多分立つ事もできなくなってしまうから。
高志君の残りは約1026日
どうしてこれ程違うのか分からないけど高志君の寿命だって3年位しか無い
どちらにしても私達は短命なのだ。
だから後少しの人生をゆっくり二人で過ごしたかった
また少し胸が痛む。
この痛みは鼓動が早くなった証明となり、私は今まで苦しんで来たけれど
今この痛みを抑えるつもりはない
「あ、また二人でいるね」
「あ、おう……上田?」
「あ、桜ちゃん…」