TIME


「それでね…カレがね。私には俺が必要ないからって…」





「おい守中!聞いてんのか!?」

「ん?あぁ、悪い、あっちの話聞いてたわ」


「マジかよ。また初めから?俺もう疲れたよ」

「あぁいや大丈夫だよ。どうせお前の話はつまんないから」

「あ?どうしてそんな事言っちゃうの?」


「いや、だって里田の話なんていつでも一緒じゃん。テレビの話だろ?俺昨日バイトだったから良くわからんしつまらん」
「おいおい勘弁してくれよつまんね!」


「それより見ろよ、八城がまた相談されてる」



「あぁ、八城はいつも通りだろ、何が楽しいのかよく分からんな……
さすがクラスのカウンセラーってか?」


「…でもさ、八城っていつ笑うんだろうな」



「何お前、八城好きなのか?」


「違うよ、八城っていつも相談持ちかけられて真剣に話を聞いてるイメージしかないから」


「いつ自分の為に笑うのかなって思っただけ」

そう言いながら俺は席を立つ。



「お、どこいくの?俺も連れて行け」


「バイトだよ。楽しい事なんかありゃしない」



そうつぶやいて俺は教室を後にする。


「…お前だっていつ笑うんだよ」



里田の呟きは放課後の喧騒にのまれた。
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