TIME
「いらっしゃいませ」


もう何度も言っている言葉を俺はさらに繰り返し重ねていく。


今日は暇だなつまらん。


そう思っているとバックルームから先輩が出てきた。


「高志、俺が立っとくからお前少し休んでろ」


「ありがとございます」


そう片言で言いながら俺はバックルームに引っ込んだ。


後ろから先輩のやる気のこもったいらっしゃいませのセリフが聞こえ俺は

先輩はコンビニ向きじゃないだろ。

と思った。





…4:55、4:55、4:57、ちょっと惜しいなもうちょいで揃ったのに。



俺は先輩の綺麗な字で書かれた
守中高志

の名前を見ながらタイムカードをひらひらしてからもとに戻した。


働き過ぎなのか?


……いや、誰に問うでもないか


勉強…はもともとしてないから親はバイトに反対していない。

今日はこれから10時までバイト。

早い日は9時まで。


週5日でシフトを入れてもらっているか結構毎日が忙しく感じる。


でもうちのコンビニは先輩がシフトを組んでいるから俺のシフトは結構融通がきいている。



試験前なんかはシフトは絶対に入れて貰えない



それに先輩が言うには学生はもっと早く寝るべきだと。


小学生じゃないんだから。


高校生にもなってそんな事を言われたら
意地でも働いてやろう
…と思ったが先輩に睨まれるのでやめておこう。


まぁ、その方が楽だし。




俺は休憩を終えて少し忙しそうにレジ打ちをしている先輩のところに向かう


腕時計を見る。


7:55:32

まだバイトは終わらない。
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