最高の君。
陽斗と一緒に暮らし出してもうすぐ2週間。
はっきり言う。
なーんの進展もない。
「あたしも合いたいなぁ~陽斗って子」
「來羅ちゃん……」
「美桜が言うんだからカッコいいんでしょ?」
「うん!!」
陽斗の見た目はマジでカッコいい。
どっかのモデルさんみたいだ。
「美桜は惚れた?」
「惚れた。
あんなイケメンが近くにいるってだけでヤバい」
「写メはないの?」
「ない…」
陽斗って何者かわかんないんだよね。
正体不明ってヤツ?
朝は早いし、帰りは遅い。
バイトでもしてるのかなって思う。
まぁご飯作っててくれるからいいけど…。
「そうだ!!」
「どうしたの來羅ちゃん?」
「ちょっとこれ見て」
「ん…?」
「今日ね極秘でイベントがあるみたいなの!!」
「えっ!? 本当!?」
あたしの大好きなアイドルグループ。
すっごくカッコいいの!!
勿論ファンクラブに入ってるけど、こんなの聞いてない!!
「学校終わって直ぐに出れば、間に合うけど、
行く?」
「行く行くー!!」
行かない訳がない。
「こら水崎に松永!!
授業始まってるぞ!!」
げ……。
又してもクラスのみんなの笑い者…。
は、恥かしい!!
來羅ちゃんとアイコンタクトして苦笑い。
「え~では、教科書130ページを……」
先生の話を聞きながら、放課後の事をずっと考えてた。
楽しみだよ~!!
顔がニヤけっ放しで、先生に気付かれないように教科書で隠す。
陽斗を落としてみせるって言ってたけど、
今はアイドルだ!!