最高の君。

陽斗なんかよりもこっちが最高かも!!



「美桜帰る?」

「ん、うん」



イベントの後は名残惜しい。



電車に揺れながら、ぼんやりと外を眺めていた。



「ねぇ來羅ちゃん……」

「どうしたの美桜?」

「ダイエットしたら、澪音姉ちゃんみたいになるかな…」

「美桜…?」



アイドルとかをイチコロ出来るようなプロポーションが欲しいな…。



「美桜、あんた前ダイエットしようとして、失敗したでしょ…」

「ゔ……忘れてた……」



そうだった…。



前にも同じような事言ったっけ。



「はぁ…。
同じ姉妹なのにどーしてこうも違うのかな…」

「神様が決めたんじゃないの?」



來羅ちゃん……。



少しくらいフォローしてくれてもいいじゃん!!




―――――
――――――――




「じゃあ明日ね」

「ばいば~い!!」



駅で來羅ちゃんと別れて急いで帰る。



汗びっしょりだから早くシャワー浴びたい。



「ただい………ん?」




珍しく明かりがついてる。



「陽斗~? 帰ってきてるの?」

「遅い。
何やってたんだよ!!」

「何よー!!」



陽斗の方がいつも遅いじゃん!!



あたしに言えないっつーの。



「それより陽斗、早かったね」

「美桜は遅かったな」

「イベントに行って来たの」

「何のイベント…?」

「アイドルだけど?」

「へぇ~アイドルねぇ~…」



何であたしばっかり言わなきゃいけないの?



「陽斗さ、今日澪音姉ちゃんと一緒に電車乗ってなかった?」

「見てたのかよ……」

「別に。
ただ見えただけ」



やっぱり乗ってたんだ…。



どっか行ったのかな?





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