最高の君。
《人気者アイドルグループのメンバーに熱愛報道です》
……ん?
熱愛報道?
「はぁぁぁあ~!!??」
意味わかんないよ!!
絶対嘘だよ!!
《両方の事務所も交際を認めていて………》
有り得ない…。
「何なのよ……」
「へぇ…これが美桜のタイプねぇ~…」
「タイプってか憧れ…って!!ちょっと陽斗!!」
「あ?」
「何であたしにくっつくのよ!!
ご飯出来たの?」
「こんな男より俺の方がカッコいいし~」
「ちょっと!!」
話がずれてるわよ!!
しかも何?
俺の方がカッコいいだと?
確かに陽斗の方がカッコいいかもしれないけど、
性格はあっちがましでしょ!!
「陽斗にはあたしの好きな人関係ないじゃん!!」
「ある」
「なっ!?」
もういいや…。
大好きなアイドルの熱愛報道は嫌だけど、陽斗の相手をしてたらスッカリ忘れてしまう。
「ねぇ陽斗……」
「何?あ、飯?」
「…何ではぐらかそうとするの…」
「えっ……」
「あたしに聞かれたくない事があるの?」
「…………」
あるん…だ…。
わかってたけど、一緒に住んでるんだし言ってほしいな。
「美桜…ごめん……。
美桜には言えないんだ…」
「………そ。
澪音姉ちゃんは知ってるの?」
「……あぁ」
やっぱりあたしは澪音姉ちゃんには敵わないんだ。
美人と凡人の差……。
年齢も、
苗字も、
生年月日も、
学校も、
家族も、
澪音姉ちゃんとの関係も。
ぜーんぶ知らない。
陽斗の事、何も知らない…。