最高の君。
いつからだろう。
こんな気持ちになったのは。
まだ薄々しか気付いてないけど、何となくわかるもん。
…まぁ、今はそれ置いといて。
『…んぁっ…』
『……ぁん…』
『…ぃっ…た…』
「…………」
自分家のテレビでエロDVDが流れていたら、
あなたならどうしますか?
あたしは……
――ガタッ!
――ピッ!
「あ゙…?
何すんだよ美桜」
「別に~。
あたしはお笑いが見たいの」
あたしならチャンネルを変える。
「ちぇっ…」
「大体、人ん家で"こんなの"見る陽斗が悪いのよ!!」
「"こんなの"扱いするなよ。
今時の健全な男子なら見るだろ」
「あたしは男じゃないから分からないわよ!!」
もうなんなの?
「もー、こんなの見るのは他でやってよね。
……それに陽斗なら女の子たくさんいるから、出来るんじゃないの?」
「何を?」
「……え、エッチとか?」
恥かしい単語言っちゃったよ。
ってか何!?
返事してよ!!
「…美桜はそう思うんだ」
「えっ…?」
「ま、仕方ないか」
陽斗…?
「陽斗…、どうかしたの……」
陽斗の顔に、あたしは一瞬、戸惑いを覚えた。
とても悲しそうな顔。
明るく笑ってるけど、何かを隠してるような…
そんな顔……。
あたし、何かしたかな?
気に触るような事言ったっけ?
「美桜…」
「ひゃっ…!?」
ぼーっとしていたあたしは、陽斗が後ろにいた事に気付かなかった。