最高の君。





いつからだろう。



こんな気持ちになったのは。



まだ薄々しか気付いてないけど、何となくわかるもん。



…まぁ、今はそれ置いといて。




『…んぁっ…』

『……ぁん…』

『…ぃっ…た…』






「…………」



自分家のテレビでエロDVDが流れていたら、


あなたならどうしますか?



あたしは……




――ガタッ!

――ピッ!




「あ゙…?
何すんだよ美桜」

「別に~。
あたしはお笑いが見たいの」



あたしならチャンネルを変える。




「ちぇっ…」

「大体、人ん家で"こんなの"見る陽斗が悪いのよ!!」

「"こんなの"扱いするなよ。
今時の健全な男子なら見るだろ」

「あたしは男じゃないから分からないわよ!!」



もうなんなの?



「もー、こんなの見るのは他でやってよね。
……それに陽斗なら女の子たくさんいるから、出来るんじゃないの?」

「何を?」

「……え、エッチとか?」



恥かしい単語言っちゃったよ。



ってか何!?



返事してよ!!




「…美桜はそう思うんだ」

「えっ…?」

「ま、仕方ないか」



陽斗…?



「陽斗…、どうかしたの……」



陽斗の顔に、あたしは一瞬、戸惑いを覚えた。



とても悲しそうな顔。



明るく笑ってるけど、何かを隠してるような…



そんな顔……。



あたし、何かしたかな?



気に触るような事言ったっけ?



「美桜…」

「ひゃっ…!?」



ぼーっとしていたあたしは、陽斗が後ろにいた事に気付かなかった。




< 18 / 44 >

この作品をシェア

pagetop