最高の君。
「お、驚かせないでよ!!」
「美桜」
「な、何よ…!!」
「美桜」
「ちょ……――っ」
抱き締められた身体。
あたしが男の力に勝てるはずがなく、身動きがとれない。
「は、陽斗…?」
どうしちゃったのよ……。
陽斗の手があたしの頬を触る。
陽斗の顔が近くにある。
そして……。
「―――……っ」
こ、これは…
キス、と言うモノではないですかね?
キス…
きす……
鱚?
kiss……?
き、きききききキスぅうっ!?
「ちょ…は、る……」
キスはだんだん大人なキスに……。
ディープキスと言うやつですか?
く、苦しいっ!!
「はぁっ…、はぁっ…」
「ごめん」
離された唇。
謝られた言葉。
放心状態のあたし。
――何が起こったの?
「…せめてDVD直してから行ってよ……」
―――――――――
―――――――
―――――
――……
気分が乗らないのに、学校があるって憂鬱…。
「どうしたのよ美桜!?」
「來羅ちゃん……」
「もう目の下クマが出来てるじゃん!!」
「來羅ちゃあ~ん!!」
「ちょっ…美桜?」
來羅ちゃんに話を聞いてもらった。
昨晩の陽斗の意味不明な行動について。
「考えすぎてちょー寝不足」
「もう、美桜ったら…」
こんなのは、大事なアイドルの熱愛報道とか結婚とか以来。
眠いっす…。
これじゃ授業中寝ちゃうよ?