最高の君。


「お、驚かせないでよ!!」

「美桜」

「な、何よ…!!」

「美桜」

「ちょ……――っ」



抱き締められた身体。



あたしが男の力に勝てるはずがなく、身動きがとれない。



「は、陽斗…?」



どうしちゃったのよ……。



陽斗の手があたしの頬を触る。



陽斗の顔が近くにある。



そして……。



「―――……っ」



こ、これは…



キス、と言うモノではないですかね?



キス…

きす……

鱚?

kiss……?



き、きききききキスぅうっ!?



「ちょ…は、る……」



キスはだんだん大人なキスに……。



ディープキスと言うやつですか?



く、苦しいっ!!



「はぁっ…、はぁっ…」

「ごめん」



離された唇。


謝られた言葉。



放心状態のあたし。




――何が起こったの?




「…せめてDVD直してから行ってよ……」






―――――――――
―――――――
―――――
――……





気分が乗らないのに、学校があるって憂鬱…。



「どうしたのよ美桜!?」

「來羅ちゃん……」

「もう目の下クマが出来てるじゃん!!」

「來羅ちゃあ~ん!!」

「ちょっ…美桜?」



來羅ちゃんに話を聞いてもらった。



昨晩の陽斗の意味不明な行動について。



「考えすぎてちょー寝不足」

「もう、美桜ったら…」



こんなのは、大事なアイドルの熱愛報道とか結婚とか以来。



眠いっす…。



これじゃ授業中寝ちゃうよ?



< 19 / 44 >

この作品をシェア

pagetop