最高の君。
「…美桜、さっきの事だけど……」
「あーはいはい。
聞いたあたしがバカでした。
どうせ陽斗も澪音姉ちゃん、でしょ?」
あたしなんかよりも澪音姉ちゃんは美人だし、モデルだからスラッとしてるし。
誰もが澪音姉ちゃん。
今さら慣れた事だから気にしないもん……。
「はぁ~…。
被害妄想もいい加減にしろよ」
「は?」
「俺好きって言ったよな?」
「……それはつまり……」
「ラブで好きだよ」
ラブ……。
「美桜…?」
「あ、あたし美人じゃないよ?
凡人だよ?
家事とかも出来ないよ?
バカだし……」
言っててなんか惨めになる。
でも陽斗は……
「…美桜だから好きなんだよ……」
人生初。
あたしは告白というものを体験した。
憧れていたのはいつも雑誌やテレビの中の人。
告白すら出来ない。
そんなあたしの初体験。
「確かに美桜は美人じゃないかも知れないけど、」
グサッときた。
他人に言われると傷つくね。
「…でも、美桜には美桜の輝きがあるだろ?」
「何ソレ?」
「説明すんの難しいけど……」
――ガラッ
「ちょっ…入って来ないでよ!!」
「ウルサい」
いきなりバスルームに入って来られても……
あたしは裸なんだよっ!!
そんな事を気にもせず、陽斗は浴槽につかるあたしの元に。
体を隠すように丸めたあたしの所に来た。
そして……
「美桜が好き。
それじゃ駄目か?」
耳元で囁く陽斗の声は脳内に響き……
「はっ…美桜っ!?」
長く浴槽につかってたせいであたしはのぼせてしまい……
そのまま意識を飛ばした。