最高の君。
学校帰り。
あたしはいつも來羅ちゃんと帰る。
同じ駅で降りてから別だけど、結構家は近い。
中学からの親友。
いつも帰りは本屋による。
「あ、見て美桜!!」
「ん? あ~!!」
カッコいい…。
人気雑誌に載る若手芸能人達。
俳優やアイドルやモデルや…。
本当にイケメ~ン!!
「美桜は面食いだね」
「面食いで何が悪い!!」
誰だってカッコいい人みたら惚れるでしょ?
「あ、雨宮祥也だ!!」
「嘘っ!?」
雨宮祥也は一回り。 いや、二回りは違う年齢だけど、カッコいい。
結婚してるとは聞いたけど、子どもは知らない。
ってかそんな噂がないから。
「ほらこっちはアイドル特集だよ!!」
「きゃぁー!!」
もう鼻血ものだよ~!!
この雑誌は即買いだね。
「っあ!?忘れてた!!」
「どうしたの來羅ちゃん?」
「今日早く帰って来いって言われてたんだ!!」
それは大変。
早く電車に乗らなきゃ。
來羅ちゃんは身長高くて、スラッとしてて、優しくて、お姉さんみたいな人。
隣りにいても男子が來羅ちゃんを見てるのが気付く。
「じゃあね美桜」
「ばいば~い」
來羅ちゃんと駅前で別れて、家路につく。
マンション暮らしのあたし。
ドアを開けて、ある事に気付いた。
「………えっ…?」
玄関の前に積み立てられてる段ボール。
「何なのよこれ!?」
あたしは段ボールをかき分けながらリビングに向かった。
「……っと!」
もう邪魔だなぁ~…。
何なのよ、チョ~迷惑!!