最高の君。
今さらだけど思う。
陽斗の正体を知るのは、案外容易かった。
――――――――――――――――――
平日の学校の昼休み。
今日の話題は陽斗だった。
「ねぇ、早く写メか実物みたい」
「あたしも交渉してるんだけどね?
陽斗がOK出さないの」
顔見せるくらいなんて事ないのに。
本当にケチ。
いいじゃん、あたしの親友の為に一肌ぬいでも。
勿体ぶっても何も起きはしないぞー!!
「ね、今月の分の雑誌買った?」
「実はね…買ってないの!!
この前ポスター買ったからお金が無いんだよ!!」
「じゃあたしが見せてあげる」
「ワーイ!!」
ほんと、お金無いんだよ。
「來羅ちゃん、良い人いた?」
「それがね、ヤバいイケメンがいたの!!」
誰だろ……。
「美桜、ホレると思うなぁ~…」
あたしがホレる?
それって相当なレベルじゃん!!
「パッと出の新人?」
「ううん、キャリアは長いの。
しかもヤバい家系の出身。
日本にいなかったみたいで、日本では初の顔出し」
「へぇ~…」
帰国子女って奴?
なんだか陽斗みたい。
「見たい!!」
「えーっと、確かこのページ……。
あっ、あった!!」
「見せて見せてっ!!」
どんなモデルさんかな?
「えっ……」
「ほら、カッコいいでしょ?」
「それ………は、ははは陽斗っ!!」
「えーっ!!」
あたしと來羅ちゃんの声はクラス中の注目を浴びた。
でも、でも!!
だって驚くでしょ!!
陽斗って、モデルだったの?