最高の君。

早く聞きたい。


本当かどうか、陽斗に聞きたい。



でもその陽斗が帰って来ない。



「もーっ!!」



早く帰って来ーい!!





――――
―――――――





「ふぁ~…」



帰って来ない。



色んな人に取材受けてるのかな?



早く起きて待ってた方がいいかな?



「何、起きてんよ」

「っ……!?」



陽斗っ!!



「遅い!!待った!!早く説明しろ!!」

「は?え?
…わ、分かったから、落ち着けっ…」

「落ち着いてやるわよ……」



はぁ~…。



やっと聞ける…。



「陽斗、あんた雨宮祥也の息子って本当?」

「………あぁ」

「そうなんだ……」

「黙っといてごめんな?」

「別に。
陽斗は謎ばっかりだったもん」

「怒ってるし……」



怒ってないもん。



ただ陽斗の口から全部話して貰いたかったし。



ただそれだけ。



……だって澪音姉ちゃんは陽斗がモデルって知ってたんでしょ?



そう…だよね……。




「…はる……」

「俺は雨宮陽斗。
父親は雨宮祥也で、芸能一家の出身。
アメリカでは伯母さん家に住んでて、日本に帰って来て実家に帰らなかったのは、独り立ちしたかったから。

美桜と同い年で、学校は………」



何で黙るの?



学校、なんかあるの?



「学校は?」

「……美桜と同じ所」

「…………」



今なんとおっしゃいました?



あ、あああたしと同じ所ーっ!!



「雨宮陽斗なんて聞いた事無いけど!!」

「名乗って無いから」



はぁぁぁあー!?





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