最高の君。
息が……出来ない。
く、苦しっ!!
「君が雨宮陽斗君?」
「あんたが美桜の友だちか。
俺がこの学校って事誰にも言うなよ」
「美桜じゃあるまいし。
それより放してあげて、苦しそう」
「あ、わりぃ」
「ぐえぇ……」
苦しかった……。
「ちょっと、何するのよ陽………ダサッ」
「ダサって言うな」
「だってぇ~」
いつものイケメンが、こんなダサ男!!
変な眼鏡にボサボサ頭、服はきっちりしてて、なんかうさん臭い。
「はぁ~…まぁいい。
今から抜けるぞ」
「は? なん……」
「つべこべ言わず、ついて来い」
「もうっ!!
來羅ちゃん、あたし早退するね?」
「先生は任しておきな」
「ありがと~!!」
早退するなんて初めてだ。
何気に学校にはちゃーんと通ってる。
まぁバカだから、成績を出席日数でカバーしようと……。
「待って陽斗っ!!」
歩くの早い!!
「ほら早くしろ。
俺には時間ねーんだよ」
「ムッ」
ムムムッ!!
「ほら乗った乗った」
「ちょっ……」
どこ行くのよっ!!
タクシーに乗せられた。
「陽斗、どこ行くの?」
「秘密」
「はぁぁぁあ!?」
まさか……
拉致?
「そんな訳ねーだろ」
「ですよね~~」
拉致だったら大変だよ。
「ほら着いたぞ」
「えっもう!?」
意外と早かったな…。
ってか此所どこ?
「此所、スタジオ」
「…………」
連れて来られた場所はスタジオでした。