最高の君。
それよりも、この人は知ってるんだ…。
陽斗の事、あいつ呼ばわりしてたし、陽斗の知り合い?
「陽斗はいずれモデルを辞めるよ。
彼はモデルを天職だと思ってない」
「えっ……」
嘘っ……。
「…だけどあいつにはやりたい事、やりたい仕事がある」
「何ですか…?」
「社長。
あいつは叔母の跡を継いで事務所の社長になるらしい。
長くモデル業界に携わらず、色んな分野の人を輩出したいらしい」
「へー……」
社長…か…。
陽斗って凄いなぁ…。
そんな事も考えてるんだ。
「勿体ないとは思うんだけどな」
「あの…あなたは……」
「ほら陽斗を見な。
あいつの輝きは超一級品だ」
カメラマンの前に立つ陽斗は、輝いてる。
陽斗は…他を輝かせ、輝いてる……。
「カッコいい……」
あたしには勿体ないくらいの彼氏だよ。
「ありがとうございました」
陽斗の撮影が終わったみたいだ。
貴重な体験だったな。
「何やってんだよ…」
「あ、陽斗」
「よっ!!」
「はぁ~…」
な、何で溜め息!?
「それで変装してるつもり?
バレバレなんだけど」
「やっぱお前の目は誤魔化せねーか」
「誰の息子なんだと思ってんだよ、
―――親父」
…………。
「えぇぇぇえ!!??」
「こんにちは美桜ちゃん。
俺、陽斗の親父」
「あ、あああ雨宮祥也っ!!
だ、大ファンですっ!!」
えっ嘘っ…夢?
目の前に憧れてる人物が……。
「じゃ俺はこれで。
たまには実家に帰って来いよ」
「はいはい」